佐久間姉弟の事情 02 春の訪れ

当作品は性的な要素を強く含みます。
18歳未満(高校生含む)の閲覧はご遠慮ください。

「ねえ、ちょっと待って、聡?」
 学校一の美少女である早織は、人気読者モデルの聡に腕を引かれて廊下を進む。入学初日。学校の作りなんて分かりやしない聡はとにかく人のいないところを求めていた。早織は痛いほど強く握られた腕から聡の怒りを感じ取っていた。
 登校早々の人だかりから聡は早織を連れ出した。「今日も美しいですね」「美男美女姉弟素敵」なんて声を無視して。
 廊下の突き当り、理科室の前で聡は困惑の声を上げる早織の唇を無理矢理奪う。
「んっ……。ねえ、どうしたの、聡?」
 聡は早織を胸に強く抱きしめて、スカートから伸びる太ももに手をやる。
「ねえ、やめてよ、っん」
 誰かに見られるのではないかという恐怖と引き換えに、愛しい人に触れられる熱が全身を焼く。甘美なものがやってくるのを拒みたくても拒めない。でも、という理性は薄れようとしている。しかしその手が太ももの付け根に達したとき、早織は聡の耳を噛んだ。
「いって、何だよ、姉ちゃん」
「何だよ、は私の台詞よ。ここは学校、分かる?」
「はい、そうです。学校です」
「学校でこういうことしたくて同じ高校を選んだのかな?」
 ニヤリ、と早織は笑ってみせる。このすけべ、と鼻をつまんでやった。
「ただ、オレは、姉ちゃんにあんなに男が群がってたなんて知らなくて」
 登校早々に熱烈なファンに囲まれていたことを早織はようやく思いだした。
「あー、あれは、ね。勝手に面白がってやってるだけだから」
 壁に手を付いて聡は早織を逃さない。
「姉ちゃん。あの中の何人と寝たの?」
 低い男の声に早織は目を逸らす。
「寝てないわよ、バカ」
「だとしても姉ちゃんを狙ってる奴は絶対いる。そんなの、許さないから」
 前髪を掻き上げて、早織の額にひとつキスをする。
「姉ちゃん、続きは家でね」
 立ち去る聡の背中に「いつの間にあんなカッコよくなったわけ?」と早織は非難の一言を零した。

 新年度のホームルームのあとは入学式。体育館は新年度だからという意味とは違う浮足立った空気が立ち込めていた。一年生に読者モデルがいるという噂はもう全校生徒に知れ渡っていた。
「ねえねえ、早織。あんたの弟、マジイケメンだね」
 去年度から同じクラスの美穂(みほ)に後ろから話しかけられる。
 そりゃ私の弟ですから、と素直に言いたいけれど少しムッとしてしまうのは姉弟揃って同じなのかもしれない。
 新入生代表挨拶をぼんやり聞きながら、早織の頭の中では「続きは家でね」という言葉がリフレインされていた。

「姉ちゃん、一緒に帰ろ」
 入学式後にひょっこり教室に顔を出した聡に、クラスの女子たちから黄色い悲鳴があがる。分かってたけど、なんか嫌だな。早織はセーラージャケットの襟にリュックを背負って駆け寄った。
「聡、あんたクラスで友達できなかったの?」
 校庭を出て学校の最寄り駅まで歩く。
「オレは姉ちゃんがいればいいの」
「ただのコミュ障でしょ。やれやれ、お姉さんは聡に友達ができるかどうか心配になってきてしまったよ」
 わざとらしく頭を抱える早織に聡は少し笑った。
「みんな俺のこと芸能人だって目で見るんだ。だからいい。姉ちゃんがいれば」
「そればかりはしょうがないものね」
 弟の友達探しまで面倒を見ることになりそうだと思うと、少しばかり嬉しくなるのは世話焼きの姉としての性分なのかもしれない。
 電車に乗り込むと聡は言った。
「今朝言ったこと忘れてないよね?」

 自宅アパートの玄関を荒々しく閉めると、早織をドアに押し付けて聡は口内に熱い舌をねじ込む。息の仕方を忘れそうなくらい荒っぽいそれは早織のスイッチを押すのに十分だった。
「さとる、ここじゃヤ、ベッド行こ?」
 熱っぽい瞳で懇願するが聡は構わずワイシャツのボタンを外していく。首筋に甘く歯を立てて、姉の上ずった声を聞いた。この人はオレだけのものだという証を残して。
「バカ、見えちゃったらどうするのよ」
「いいだろ、姉ちゃんに悪い虫がつかなくて」
 そういう問題じゃなくて、と言いかけてまた唇を塞がれる。聡の右手が姉の乳房の柔らかさを弄び、時折早織は高い声を上げた。

「うわ、姉ちゃんとろとろだよ?」
 薄い下着を片足だけ脱がせて聡は蜂の巣の奥に指を差し入れる。身体に力の入らない早織は玄関の冷たい鉄ドアに上半身を預けて高く尻だけを突き出していた。とろとろと、熱い蜜が聡の指にまとわりつき、膝までそれは垂れていた。
「聡、もう無理、ベッド行くの」
「へえ、姉ちゃんもう立ってられない?」
 コクコクと早織は首を縦に振った。息が熱い。何を見ているかも分からない。ただ、快楽と欲望だけが渦巻いて、求めてはいけないものを求めている。悦楽に力を奪われ、今にも膝がくだけそうだった。
「じゃあここで止めちゃおっかな。いい?」
 早織は強くかぶりを振った。欲しい。聡が。
「ふふ。姉ちゃんのえっち」
 聡は一気にペニスを早織に挿入する。今までより数段高い声をあげて、早織は全身を震わせた。中が規則的に収縮するのを聡は感じて、愛しさに早織を後ろから抱きしめた。
「早織、可愛いよ」
「聡のバカぁ」
 荒い息を整える早織の腰を掴んで、聡はこう言う。
「早織、ここからだよ?」

「聡のバカー」
 二段ベッドの下で早織はぷんすか怒って聡の枕を抱きしめていた。
「足も背中も痛いし、明日歩き方おかしくなったらどうしてくれんのよ」
「ごめんごめん。でも、気持ちよかったでしょ?」
 先程までの諸事を思い出して早織は聡の顔面に枕を投げつける。
「いつから私の弟はこんなドSキャラになったんですか」
「姉ちゃんが妬かせるからでしょ」
「私、何もしてないー」
 熱が残る下半身のだるさに怒るに怒れなくて力なく寝転ぶ。あんなに気持ちいいのは、久しぶりだったから。私もMなのかな、と早織はさらに怒るのだった。
「それより姉ちゃん、ご飯できたよ。昨日貰った筍を煮たのと、姉ちゃんの好きな鰆の西京焼きだよ」
 なんだかんだ弟が可愛いのだ。誰かのものにならない、姉弟だもの。



お読み頂きありがとうございます。
どうしようもなくエロが書きたくなったんだ。
不定期木曜と言っていましたが、しばらくは曜日関係なく気が向いた時に更新してみようかと思います。
現実逃避楽しいなあ。他の原稿も頑張ります。
拍手をぽちっとしてくださると作者が喜びます。

ランキング参加中です
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ



←前のページ 目次 次のページ→
web拍手 by FC2
2017/05/21 (日)

参加予定のイベント

最新トラックバック