名古屋コミティア49に参加します

こんばんは、佐倉愛斗です。
10月30日に名古屋国際会議場イベントホールで行われる名古屋コミティア49に参加いたします。
人生2回目の即売会楽しみたいと思いますのでよろしくお願いします。

お品書きはこちらです。
名古屋コミティア49お品書きサイト用

LGBTアンソロジー「prism」

13人の著者で「セクシュアルマイノリティーの人が1人以上存在する物語」というお題で小説を書きました。
装丁画もカラフルに描いていただいて、背表紙はレインボーフラッグの六色に仕上がっています。
さまざまな性の物語がどれも生々しく美しく残酷で心地よいものとなっております。性の世界を覗いてみませんか?
LGBT向けのイベントにて先行頒布したところ、残り少部数となってしまいました。取り置きは致しませんのでスペースまでお早めにお越しください。


嘘つきは物語の始まり

「本当のことは言ってはいけない」という酒場で「僕」はアヤカさんに出会った。酒場の人々は《嘘》と称される物語を語り合う。
酒場でのやり取りの中に《嘘》の小話が織り交ぜられた連作短編集です。
特殊な形式の小説ですので、これはこれで面白いんじゃないかと僕自身思っています。
是非立ち読みだけでもいらしてくださいね。


Vanilla

当サイトでの連載作品「Vanilla」に書きおろし短編を収録した長編BL小説です。
社長に買われた美しい少年シャルと、社長の使用人萩野との三角関係が美味しいです(個人的感想)。
ハードSM等激しい性描写・暴力的描写、人身売買等反社会的描写が含まれますので18歳未満(高校生含む)にはお渡しできません。あらかじめご了承ください。購入希望者は年齢の確認できる身分証のご用意をお願いいたします。


nameless color

各アンソロジーに寄稿した作品の再録と書きおろし短編小説の合わせて5つのお話が読める短編集です。
性や生や己について悩む若人たちを描いた作品集です。佐倉愛斗初心者におすすめの一冊です。
こちらも残り少部数です。お早めにお越しください。


届かなかった手紙

お品書きにはありませんが、急遽おためし企画として出品いたします。
桜色の封筒に入っているのはどれも届かなかった手紙たち。あなたが代わりに読んであげてはくれませんか?
1通100円で、500~1000文字程度の小説となっています。
現在3種用意していますが、当日までにいくつ増えるかはお楽しみに。
世界であなたしか読めない「手紙」をどうぞお楽しみに。


君に注ぐvol.2

佐倉愛斗個人サークル「渇き」のインフォメーション無料冊子です。
2が出せた! やったね!
物語の紹介に加えて、キャラクターの裏話も語っています。今回は楽しく作れたかと思います。
通りすがりのあなた? どうぞ一冊貰っていってください。


さて、これらを引き下げ名古屋まで行きますよ!
スケブはできませんが、購入してくださった本へのサインは可能ですのでお気軽にどうぞ。
それでは、よろしくお願いいたします!
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2016/10/27 (木)
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青嵐吹くときに君は微笑む 02

「行ってきまーす」
 モッズコートにぐるぐるのマフラーの重装備で家を出る。あいにく手袋は持っていない。プレゼントしてくれる人もいないのだと自嘲的に笑ってみたが、重い気持ちは変わらなかった。

 妹の滴に言われたこと。

 その一、必ずコンサートに入ること。ダフ屋に売ったり譲ったりしてはいけない。
 その二、グッズを買ってくること。リストは手渡された。代金も預かった。
 その三、コンサートの詳細を帰ってきたら事細かに話すこと。特にリーダーが誰とイチャイチャしていたか。
 その四、チケットは二枚あるので友達を誘って必ず席を埋めること。空席を作るのは失礼千万。

 色々つっこみたいこともあるのだが(特にイチャイチャってなんだ)、問題はその四だ。俺には悲しいことにアイドルのコンサートに付き合ってくれる友達はいない。人間関係に興味がないというか、他者への感情が希薄な俺には、クラスでだべる友達はいても、わざわざ名古屋に出てまで遊んでくれる友達はこれといっていない。
 ちなみに、滴と一緒に入る予定だった友達もインフルエンザだそうだ。この冬は大流行だな。
「お兄ちゃん、チケットでナンパしないでよ?」
「うっさい、しないよ、そんなの」
 とは言ったものの、ナンパするしか席は埋められなさそうだ。
「はーっ」
 声が出るほどの大きなため息は、白い霧となって乾いた空に流れていった。

 電車を乗り継いで一時間。ナゴヤドーム前矢田駅は未だかつて見たことが無いほどの人の波ができていた。身体がぶつからないように一定の速さで流されていく。
 辺りには女性ばかりだ。制服姿の女子高生や、すごく派手な衣装を着た女性。年齢層は小学生から俺の祖母くらいの人まで。流石、国民的アイドルだ。地味な恰好でも何かしらの「色」が目立つ。そして目につくのは同じ鞄を持っている人が多い。滴が言っていたコンサートグッズというものだろう。
 野球選手のパネルが飾られた長い廊下は人の熱がこもって息苦しかった。女性のコツコツとした固いヒールの音が煩くて、でも彼女たちの浮かれた空気が嫌いじゃなかった。
 ドームまで続くデッキまでの高い吹き抜けを見上げると、人工的な緑が師走の風に揺れて寒さを思い出した。エスカレーターには既に長い列ができているので俺は諦めてらせん状の階段に足を向ける。
 一段一段、不規則な幅のタイルを上る。光の指す方へ、俺は少し、記憶の海のさざなみを聞いた気がする。光の中で笑う先輩。
 トン、と肩に誰かの肩がぶつかる。バランスを崩した相手は声にならない悲鳴をあげて落ちかける。咄嗟に手を伸ばして掴む。柔らかなニットの手袋の感触がした。
「すみません、ありがとうございます」
 なんとか引き上げた腕は、あの酒本渚先輩だった。
「酒本先輩?」
「えっと……どちら様ですか?」

 そりゃベンチ温め係の俺のことなんか覚えていませんよねそもそも一年なんてベンチ入りどころか応援席でしたよ練習だってグラウンドを走り続けただけで先輩との接点なんて全然なくてせめてともの気持ちであいさつはしたけれどへたれな俺にそれ以上の会話能力はありませんよええコミュ障の俺なんかゴミクズのクズですよ空気ですよ存在がないですよ期待なんかした俺が間違いでしたよばったり会ったなんて運命と思っちゃうじゃないですかていうかなんでここに酒本先輩がいるの買い物に来たら巻き込まれたとかそういうやつですよね帰ろとしてましたもんねここでコンサートに誘ったところで来るわけないですよね来たら奇跡ですよね男が男のアイドルにキャーキャーなんていいませんよねでも酒本先輩めっちゃいい匂いするし近くで見ると顔小さいし目が大きいし整ってるしでもそういえばいつから酒本先輩はいないんだっけ試合の前にはもういなかった気がしなくもないんだけどなんでだろうでもわざわざ聞くのも申し訳ないし図々しくないか俺はでも俺は酒本先輩のこと

「あの……相原、くん?」
 酒本先輩の声で我に返った俺は何度か頬をつねった。夢じゃない。まずそこからだ。
 状況を確認すると、とりあえず場所を移動して、デッキと隣接するショッピングモールの間のスペースで話している。自己紹介をしたら一応思いだしてはくれたらしい。屋外なので風は避けられるが冷たい空気が火照る俺の身体を正気に戻していく。
「お久しぶりです、酒本先輩。その、先輩は買い物か何かですか?」
「う、うん、ちょっとね」
 先輩は困ったように歯を見せた。しかし何故だろう。あのときの「酒本渚」と全然違う。
「こんな人混みじゃ大変ですよねー。今日コンサートらしくて」
「うん、知ってる。知ってるよ。なんで来ちゃったんだろう」
 彼は小さなその身体を抱きしめた。寒さじゃない震えを閉じ込めるために。
 先輩は、泣いている。
 俺は直感的に思った。雫のない涙だ。
「酒本先輩。よかったら、一緒にコンサートに行きませんか?」
 一人にしちゃいけない。そんな目を先輩はしていた。



お読み頂きありがとうございます。
零くんのパニック思考をずらずらと書くのが楽しかったです。どんだけネガティブなのこの子。
毎週火曜21時更新です。毎週更新できるように頑張るぞい!
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2016/10/25 (火)
青嵐吹くときに君は微笑む

青嵐吹くときに君は微笑む 01

 懐かしい夢を見ている。夢というより、記憶の海に五感が投げ出されている。そんな感覚だ。
 あれは四月の終わり。桜の薄紅に新緑が混ざり合う変化の季節。俺はやわらかな陽射しで温まった体育館で思春期の憂鬱と格闘していた。
 高校一年生だった俺はようやく馴染み始めたクラスメイトと共に部活動紹介を見ていた。運動は苦手だし、無難な文化部に居場所を求めるか、高校も帰宅部でもしょうがないかな、なんてぼんやりと膝を抱えて先輩方の説明や実演を眺めていた。
 俺はこれから始まる高校生活にどこか期待していて、どこか諦めている。体育館シューズの先を見つめて春の訪れを待っていた。
「今から、僕が三対一であのゴールまでシュートを決めます」
 その声に導かれるように俺は頭を上げた。
 視線の先には黄色のゼッケンを着た俺よりはるかに背の高い男子生徒三人と、彼らの肩より背が低い男の子。ふわふわの髪に白い肌。アーモンド形の瞳をキラキラさせて、彼の頭より一回り大きなバスケットボールを抱えていた。
 嘘だろ、と俺は思った。スポーツに関心の薄い俺でもバスケットボールでは背が高い方が有利なことくらい分かる。
「では、行きまーす!」
 先輩はバスケットボールを床に打ち付けると、妨害しようとする他三人をひらりひらり、流水の上の木の葉が岩を避けるようにかわし、そして、飛んだ。
 網が揺れる。ボールが床に落ちる。時が止まる。
「こんな小さな僕でもバスケはできます! 体験だけでもいいので皆さん来てくださいね。体験希望者は部長の僕、酒本渚のところまで来てください」
 張り詰めた空気が歓声に変わる。あっけにとられて口を開けていると、酒本先輩と視線がぶつかる。花が咲いた。俺の何かが求めている。
「俺、バスケ部にするわ」
 はぁ? と同中の友人が驚くが気にしない。
 先輩がもう一度、俺に微笑んでくれたら、それでいい。
――でも酒本先輩は、夏の大会を前にしてバスケ部を去った。

「おーい、万年ベンチ温め係のおにーちゃーん」
 ぐえ、という情けない声をあげて俺はベッドから落ちた。暖房をいつの間にか切られたのか足先まで冷え切って痛い。今は高校二年の十二月の頭。結露した窓から雫がツーっと落ちた。
「なんだよ、滴。寝てなくていいのか?」
 おでこに冷えピタ、眼鏡、マスクという一見誰か分からない顔面フル装備に、淡い青と黄色の縞模様のもこもこパジャマ姿の妹を見上げて言う。相原家の冬季恒例行事となりつつある『誰かがインフルエンザになる』の順番が妹の滴に回ってきたのだ。普段コンタクトレンズの滴が眼鏡をかけていると、風邪なのだというのがよく分かる。
「げっ、お兄ちゃん、泣いてるの?」
 頬に手を当ててみると濡れていた。人差し指に雫が乗っている。何か懐かしい夢を見ていた気がする。記憶の海を泳いだ後は大体そうだ。けれど、思いだせなかった。
「泣いてねーよ。多分」
 ジャージの袖で顔を拭うと、「で、なんで滴は起きているんだ?」と返す。ぼんやりと、あの人のことを思い出した気がするけれど、次の瞬間には意識にのぼらなかった。
「今日、コンサートなんだけどさ」
 言葉の間で咳き込む滴を俺のベッドに座らせて、俺はまだ温まらないホットカーペットに胡坐をかいて聞いた。コンサートというのは、超国民的五人組男性アイドルグループの五大ドームツアーで、今日はナゴヤドームで夕方から行われる。
「私、インフルじゃん? コンサート行きたくて行きたくてたまらないよ? でも、もし万が一担当様に移して今後のツアーや年末の歌番組に響いたらと思うと申し訳なくて行くに行けないの」
 涙をボロボロ落としながら話す可愛い妹にティッシュの箱を差し出す。注釈すると、「担当様」というのは愛してやまないアイドルタレントのことを言うらしい。耳にタコができるほど滴に聞かされたから分かるが、アイドルに興味のない人には分からないだろう。
「リーダーがインフルになったら私、死んじゃう。申し訳ないもん。でも、でも、行きたかったよぉ」
 熱で赤くなった目をこすりながら泣きじゃくる滴。盲目なのか客観的なのかわからないが、よくできた妹だと兄として思う。これでコンサートに行くと言い出したら俺は刺されても止めなくてはいけなかった。
 きっと今日までたくさん悩んだのだろう。彼らのコンサートチケットはオークションに出されれば軽自動車一台分の値は付く超プレミアチケットだ。滴だってコンサートチケットを当てたのは三年ぶりだというのに、体調を考慮して行かないと決意した。うん、我ながらいい妹を持ったものだ。
「でね、お兄ちゃん。お願いがあるんだけど」
 こんな可愛い妹の頼みだ、なんでもきいてやろう。
「代わりにお兄ちゃんがコンサート行ってきて」
「……は?」



お読み頂きありがとうございます。
「青嵐」は僕が中学生のときに書いた処女作のリメイク版です。「スタスペ企画」でもお世話になっているナギサくんの過去のお話となっております。タイトルの「青嵐」は要するに好きなアイドルのグループ名とメンバーカラーです。ちょっとは隠しましょうよ。
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2016/10/18 (火)
青嵐吹くときに君は微笑む

新作連載開始のお知らせ

こんばんは、佐倉愛斗です。
前々からTwitterでは告知していましたが、この度、新連載をスタートさせます。
タイトルは「青嵐吹くときに君は微笑む」
中学生のときに書いた処女作のリメイク版となります。

あらすじは、笑顔が眩しい憧れの先輩を追いかけてバスケ部に入ったものの万年ベンチ温め係の主人公、相原零がとあるきっかけでその先輩と再会する。しかし先輩、酒本渚の輝かしい笑顔は失われていた。でも彼の笑顔が甦る瞬間があった。それは「アイドルを見ること」。
僕のクソオタな部分全開でお送りするラブストーリーです。
楽しいお話にするぞ!と言いつつ多分ドロドロします。僕の味が出てきます。お楽しみに。

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2016/10/17 (月)
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