閉ざされた戸

「ねえ、この扉開けてみようよ」
 昼も夜もない、閉ざされた性の部屋。あるとすれば時間によって利用料金が変わることくらい。様々な人が欲を絡ませるこの部屋の窓は、厚い木製の戸で外界から閉ざされていた。
「そういえば、開けたことなかったな」
 彼が言うのは二人でではなく、この人生の中での話だ。
 余韻の残った重い身体を起こして二人で戸を引く。今まで誰も引いたことが無かったのか張り付いたようにそれは重かった。
 窓からは車のテールランプと灯かりがいくつか残る高層マンション、分け隔てなく平等に人々を照らす月明かりが見える。
「なんだか現実を見せられている気分」
 見なきゃよかったと彼女は嗤う。
 世界で二人きりだから幸せなのに。


こんばんは、佐倉です。お読みいただきありがとうございました。
休載中ですがリハビリもかねてTwitter企画「Tw300字SS」に参加しました。
お題が「夜」ということで少々アダルティなものになりました。R指定ではないかな?
読みましたのサインに是非とも拍手のほどよろしくお願いいたします。

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