140字SS 051~055

051 ヤマアラシ

僕らは優しすぎるんだ
だからお互いが自らを傷付ける
そんなのって、救われないな




052 大人の味

煙草の香りがするキスって、くらくらしちゃうわ
アルコールの味がするキスも一緒に酔ってしまいそう
悪いことしている気分になっちゃう




053 くちづけ

早織はぎゅっと目を閉じた。鼻と鼻とが触れあう、吐息の熱を感じられるような距離に彼がいる。佐織には自分が触れられることを期待しているのか、怯えているのか、よく分からなかった。そっと、柔らかいものが唇に触れる。呆気ないその行為に早織は感激していた。




054 (不)透明

透明に見えるものでも、たくさん集まれば不透明になるんだよ
ほら、遠くの山が空気で霞んでる




055 雨の止まない街

 私の住む街には雨というものが降り続いていると分かった。
「分かった」というのも、今まで「雨」と呼ばれる水の粒がいつも降り続いていたからこの現象に名前があるのだと旅人に聞くまでは知らなかった。
 旅人は「止まない雨はない」と言ったけれど、この水が落ちてこない状態を私は想像できないでいる。







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