140字SS 056~060

056 髪、縛る

「わたし、貴女の長い髪が好きよ。艶やかで、絹のようになめらかで、触れると少しひんやりとしているの。櫛でとくこの時間が贅沢なひとときなの」
 ああ、僕はまたあなたの言葉に縛られる。




057 atrium

冬がこんなに寒いだなんて知らなかった
もうこんなに寒くなったのか、と君に連れ出されてやっと季節を知る
外の世界は鮮やかで輝いて空気が芳しくて
もう少しだけでも君と外の世界を歩いていたいよ




058 清潔

透き通った清潔なミネラルウオーターも乾くと汚れを残していく




059 渇き

僕の心には穴が空いているのだろうか。
幸せなものをたくさんもらってもすぐに飢えに喘ぐ。
満たされない心を癒すのは誰。




060 君に注ぐ

僕は何も無くしてはいない
否、幼き頃にたくさんのものを無くしたのだろう
歪なグラスの僕にワインを注げど流れ落ちる
ああ、誰か僕に「 」を注いではくれないか







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