300字SS 思い出

 玄関のリースは注連縄に変わり、ほんの少し静かな日々がやってくる。見慣れない特別番組から目を離して大好きな人に電話をかけた。
「再来年の初詣は二十歳になるし振袖着ていくよ。成人式用に買ったし」
「まだ来年の初詣もまだなのに、鬼が笑うよ?」
 画面越しに彼が笑う。今、笑うということは、彼は鬼なのだろうか。彼の頭に角はないから鬼じゃないな。テレビ電話って便利ね。
「いいじゃん、見たいでしょ? あたしの振袖姿」
「そりゃ見たいけど気が早いよ」
 永遠などないと泣いた彼の顔を思いだす。それでもあたしは信じたい。
 一時間、一日、一か月、一年。君と巡る季節は鬼だって微笑むくらいきっと綺麗だよ。
 どうか来年も君といられますように。




こんばんは、佐倉です。お読みいただきありがとうございました。
Twitter企画「Tw300字SS」に参加しました。
何故タイトルが「思い出」なのか考えてくださると嬉しいです。
読みましたのサインに是非とも拍手のほどよろしくお願いいたします

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