140字SS 061~065

061 愛殺

手に入らない人なんて殺してしまえばいいじゃない。
あたしを愛さない人をどうして愛さなきゃいけないの?
あたしのモノになりなさい。




062 おわりのおわり

胸に刺さった棘が痛い
抜いて抜いてと喚くけれど、抜いたら私の心臓は破けてしまう
それでもいいの、苦しみが終わるのならば




063 口寄せ

あなたの柔らかな唇を啄みたい。厚い下唇を吸って官能の扉にノックをするの。
充血したあなたの唇を見てわたしはクスリと雌の眼をして笑いたい。
もう一度唇を合わせるとあなたは熱い舌でわたしの唇を割ろうとするけれど、あなたは我慢の足りない子ね。
いけない子、と額を合わせてあなたを見詰めるわ。




064 冷たい医学

透明な液がぽたりぽたりと拍動のように落ちて僕の細い血管に薬物を流し入れる。
冷たい液が血管を廻り指先が心地よい涼しさに脱力する。
この冷たい僕の手は果たして死人のものではなかろうか。
冷たい医学に生かされる僕は死人ではなかろうか。




065 かなし

愛しさは悲しさを孕んでいるよ
だってほら、貴方を想うだけで涙が出るのだから
身を知る雨に打たれて私は今日も微笑むよ







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