140字SS 041~045

041 僕は、戦う

孤独を剣に、悲しみを盾に
僕は何と戦っているのだろう
おそらくは、自分自身と



042 溺水

 もう溺れている。自覚したときには手遅れだった。息をするのも苦しいほどあなたへの想いで胸がいっぱいになる。
 3日後、僕は夢を掴んで海を渡る。あなたは心から喜んでくれたね。やっと掴んだチャンスとあなたへの思いを天秤にかける。
「好きになりたくなかった」
 別れがこんなにもツラいのならば。



043 終焉のスポットライト

目の前にスポットライトの奥の薄暗い客席が広がり、座る彼らは僕らを見定めている
娯楽であるはずの音楽が、そのときだけは武器となる
その鋭利さが肌に突き刺さるのを感じた
13分のための夏が終わる、と心でつぶやくと視界が潤んだ
ああ、寂しいのだな
何かを僕は得られただろうか



044 後悔

本番のことはもう思い出せない
何を見ていたとか、何を聞いていたとか
そういった感覚は刹那的に消えていった
結果など聞かなくても分かる
僕に次の舞台など用意されていないのだと、楽器を下ろし瞬間に悟った
悔しくてたまらなかった
悔しくて泣けるほど努力しなかったことが



045 言霊

結果発表後、口々に感想を述べる中、僕だけが「次はもっと大きな舞台へ行きたい」と口にした
僕が一番非力で、実力もなくて、努力が足りていないことも分かっている
それでも、次こそは、と言葉にした
誰にでも目標を言うことくらいはできる
けれど、言葉にしなければ叶わないのだと知っているから







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